暗記させない学習習慣の育て方

暗記させない学習習慣の育て方

公式をどう解釈するか

大手の塾で学ぶと沢山のことを暗記しなければならない状況に直面します。シーズンごとに新しく配布される膨大な量のテキスト。毎日配られるプリント。月1回,週1回のテスト。どんどん覚えなければテストに間に合いません。ただひたすら問題を解く。ただひたすら読んで覚える。ただひたすら書きまくる。いつしか時間に追われて覚えることが当たり前のような錯覚に陥ります

実際このような環境において行われている公式の対処法は以下の通り。

  • 理屈を理解した上で使いこなす。
  • 理屈はわかったけど,覚えた方が早いから覚えてしまう。
  • とにかく暗記してテストを乗り切る。
  • 暗記しようとするが,覚えきれず点も取れない。
  • 諦める

これのいずれかになりますが,大部分の子が暗記に走り,ごく一部の子だけが理解して上り詰めていきます。そして暗記に頼った子は,記憶力の限界に来た時から成績が低迷。そこに精神的なプレッシャーが加わると,転落していきます。同じ教え方でも,どう学ぶかの差が大きな差を生んでしまうんですね。

今回お話するのは,このような場面において,理解をした上で使いこなせるようにする習慣の育て方です。実はこれ,幼稚園から小学生低学年までの教育の仕方でほぼ決まります

大人のルーティーンが子どもの思考力を奪う

子育ては非常に負担が大きく,親は社会のルールを学ばせようとします。この社会のルールを学ばせること自体には問題ありません。公共の場所では静かにする。横断歩道を渡る。帰ってきたら手を洗う。食事の後は歯を磨く。学校や習い事の宿題や練習をする。こういった当たり前のことを学ばせていきます。この時,何を学ばせるかではなく,どうやって学ばせるかが大切になるのです。

例えば電車の中では静かにするといったことを学ばせるとします。この時,大抵の親は「静かにしなさい!」「座っていなさい!」「走るな!」と怒ります。子どもは怒られないようにしようとして,静かにしていることを覚えていきます。しかしこの時,子どもはまだなんで静かにしなければいけないかはわかっていません。わかっていませんが,怒られるから静かにする。静かにしていると怒られない。よくわからないけれど,静かにしていればいいんだ。という感じで社会のルールを「覚えて」しまいます。

手を洗うという事に関してはどうでしょう。これも親が手を洗っていれば,子どももそれを真似して手を洗うようになります。理由はわからなくても,親がそうしているから自分もそういうものだと思って手を洗います。手洗いはあちこちでばい菌を流すみたいな映像と共に理由が話されているのでわかっている子も多いと思いますが,服を着る理由,靴を履く理由,食事をする理由,時間を気にする理由,保育園に行く理由,歩道を歩く理由,横断歩道を渡る理由,左側を歩く理由,夜に寝る理由。このように大人のルーティーン,日々当たり前にこなしていることを子どもにもルーティーン化してしまうことで,「なぜそうするのか」という思考力を奪ってしまいます

ただ一言添えるだけでいい

では思考力を養うためにはどうすればいいのか。ただ一言行動の理由を添えるだけでいいのです。

例えば手を洗うという行動に対して,「ばい菌を流そうね~」と言って手を洗います。すると子どもの中では「ばい菌を流すために手を洗う」という理由付けが行われます。「外は暑いから帽子被ろうね」「足けがしちゃうから靴はこうね」「元気になるためにご飯食べようね」理由は何でもいいので,とにかく理由付けだけは行います。ちなみに理由が間違っていても,子どもだましでも問題ありません。成長していくにつれ,色々なことを学び,自然と正しいものに修正されていきます。サンタさんがいると信じていたのに,いつしかサンタさんは親なのだと理解し,親になったら自分がサンタさんになるのと同じです。教わるものではなく,知っていくのです。だから怖がらずに,正しい知識を教えようとはせずに,行動に理由をつけてあげて下さい

もちろん年齢によっては理由を理解できません。しかし理由を理解させる努力はしてみて下さい。理解はできなくても,何度か繰り返すことで,理由と行動を覚えていきます。すると子どもは新しいことに対しても理由を求めるようになっていきます。これが習慣化していけば,大手進学塾で公式が出て来た時も,「なぜこうするのか」という思考回路が自然と働き,丸暗記ではない方法で勉強するようになっていくのです。

小学校高学年になってしまったら手遅れ?

手遅れではありませんが,覚えるのが当たり前になっている習慣から脱却させるためには大きな労力と時間を要します。なにせ生まれてから訳10年分の習慣を打ち消さなければならないわけですから。まして既に塾に通っていて暗記で乗り切る方法を身に着けているとしたらなおさら大変。習慣の修正だけでは対処できません。手順としては以下のようになります。

子どもの行動に対して理由を求める。
 ↓
子どもの考えに対して理由を求める。
 ↓
子どもの意見に対して理由を求める。

子どもの行動というのは,例えば子どもが遊んだ後におもちゃを片付けない。これに対して「片付けなさい!」ではなく,「なぜ片付けないのか」を求めます。もうここだけでも一苦労!早く片付けさせたいのにそんな時間なんてない(笑)でも挽回するならこれがスタートなのです。その答えが何であれ,片付けることがなぜ必要なのか,まで誘導して持っていきます。

「ゆうちゃん,お片付けなんでしてないの?」
「ごめんなさい。」
「そうじゃなくて,なんでしてないの?テレビ見たくなっちゃったの?」
「うん」
「テレビ見てる間はおもちゃ使う?」
「使わない」
「出しておくと危なくない?」
「危ない。」
「どうして危ないの?」
「踏んだらケガする。」
「そうだね。このおもちゃどうする?」
「片付ける。」
「でも片付けない方がすぐに遊べていいんじゃない?」
「んー危ないから片付ける。」

実際にこんなに綺麗に流れるわけではありませんが,ポイントとなるのは叱りたい行動に対して理由を求めること。これにより,本能のまま生きている状態から理性的に考えられる力を養います。そして子どもの考えを引き出します。この考えと言うのは子ども自身の考えではなく,大抵の場合受け売りか誘導ですが,それは大した問題ではなく,自分の考えとして言わせることが大切。そして最後の要がここ。片付けるという意見に対して反論意見を与えて考えさせるのです。面倒だから流している場合も多いのですが,これを繰り返すことで子どもは考えるようになってきます。期間は最低でも2年(笑)1年を通じて事あるごとに考えさせることで,年間のイベントに絡んだ理由も考えていくようになります。そして1年経って2年目に初めて子どもにとってのルーティーンが始まります。なので小5ならギリギリ小6で間に合いますが,小6なら身に着けている訓練中に受験が終わってしまいます。もしこれを受験に間に合わせようとすると,高校受験を見据えて4か年計画に変更するか,個人でやるよりも専門家に依頼した方がいいという事になります。

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