生しらすって,何で生なのに生きてないの?

生しらすって,何で生なのに生きてないの?

みなさんは生しらすという食べ物をご存知でしょうか?その名の通り,生のしらすなのですが,非常に傷みやすく,生しらすを取り扱っている漁港付近など一部地域でしか食べられません。首都圏では江の島あたりが有名ですね。食べた事がある人はご存知と思いますが,あのつるっとした触感,たまらないですよね。

さて,この生しらす,どうやって作っているのでしょう?
何で生なのに生きていないのかご存知ですか?

中学受験の生徒が漁業の単元をやっているときに質問してきたので,子どもがどういうところを疑問に思っているのか,実際にPHIの子どもの質問に答えたものをお話致します。

しらすってなに?

まずしらすについて。

しらすとは,主にイワシ(カタクチイワシ)の稚魚ですが,マイワシ・イカナゴ・ウナギ・アユ・ニシンなど,体に色素がなく白い稚魚の総称でもあります。通常しらすというのはかま揚げ日干し(しらす干し)が一般的です。釜揚げも日干しも水分が抜けるため,白くなります。なぜ釜揚げや日干しにするのかと言いますと,しらすが傷みやすいからなんですね。

なぜしらすは傷みやすいの?

しらすに限らず,一般的に魚は肉よりも傷みやすいのです。魚が傷みやすいのは,死後硬直が一般的な肉よりも早く始まり,さっさと解けるためで,死後硬直が解けるとタンパク質分解酵素が細胞を分解(自己融解),これにより微生物が分解しやすくなり,微生物が一気に繁殖,腐敗していくのです。傷むプロセスを整理すると,

  1. 死ぬと酸素が細胞にいきわたらなくなり,筋肉内の糖(グリコーゲン)が減少し,乳酸が増加,アデノシン三リン酸(ATP)が減少する。ATPがエネルギーを作り出し,筋肉を動かしているため,これがなくなると筋肉が動かなくなる。いわゆる死後硬直が起こる。
  2. 死後硬直はある程度時間が経つと解け,同時にタンパク質分解酵素により自分の細胞を分解し,柔らかくなっていく。これが一般的に熟成と呼ばれる現象。
  3. 細胞が分解されると微生物が分解しやすくなるため,一気に分解が進む。微生物が分解するというのはいわゆる腐敗なため,腐敗臭が出て,人体に有害な物質も生成される。

という流れになります。実は子どもにはここまで突っ込まれたものの,死後硬直がなぜ解けるのかは未だにわかっていない部分が多く,仮説はありますが,説明ができません。こういう所は「まだ解明されてないんだよ。」でいいでしょう。中学受験ではATPや死後硬直,熟成なんて出ないのでここまで押さえる必要はないのですが,消化吸収の単元と重なるため,耳にしたことがある,といった程度には知っておいても損はないでしょう。

しらすってどうやって捕るの?

ではどうやって捕っているのかといいますと,2つの漁船で囲み,網目の小さい網ですくい上げていきます。この辺りは漁業の方法として知っておいてもいいでしょう。

そして取ったそのあとが大切!すぐに氷水に入れて冷やしてしまいます。これによりしらすは絞められるんですね。すぐに冷やすことで死後硬直と分解を遅らせているのです。こうしないとすぐに傷んでしまって食べられません。生きているしらすがいないのはこのためです。そして一気に冷やしたまま漁港を目指します。

さて,漁港についたらすぐにセリにかけられます。しらすはとにかく鮮度が第一ですからね。この時により新鮮なしらすを生しらす用として選びます。この選ばれたものだけが生しらすになるという訳です。

この生しらすがそのままお店で出されるか,一度冷凍されてお店に持っていかれるかになります。いずれにせよ常温で置いておくとすぐに傷んでしまうので,とにかく早めに提供するか,冷凍しておくしかないわけです。

ちなみに魚が傷むと強烈な腐敗臭がします。食べると腹痛などを招く恐れがあり危険です。生しらすを提供しているお店で食事をすると,早く食べろとせかされる事がありますが,このためなんですね。決してさっさと帰れと言っているわけではないのです。たった数分でも腐ってしまう食べ物なため,新鮮でおいしいうちに食べてもらいたいという気持ちの表れでしょう。

一見受験には関係なさそうな話題ですが,勉強は興味さえあればどこからでも入れます。実際PHIでは子ども達の疑問から,どんな質問でも勉強につなげて指導しています。今回の質問も,一見受験には出ないような内容ばかりですが,これを題材に受験で必要な内容も派生させて確認しています。ぜひ子どもには多くのことを経験させてあげて,多くの疑問を持たせてあげて下さい。それが巡り巡って勉強,そして成績,合格へと返ってきますよ(^^)/

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