苦手科目は時間をかけて勉強させた方がいい,というのはウソ!

苦手科目は時間をかけて勉強させた方がいい,というのはウソ!

夏に入って早速中学受験の方々から伸び悩みのご相談を頂くようになりました。やはり出だしでつまづいてしまうと夏全体ズルズルといってしまいますからね。高校受験の子はまだ部活が終わっていない方もいらっしゃるので,これからが本番といったところでしょうか。

さて,今回は中学受験でも高校受験でも使えるお話しです。科目のバランスが悪い!という話はよく聞きますが,その悪い科目間バランスに対してどのように対策を取っていますか?テストに向けて意識すべき科目間バランスのとり方についてお話し致しましょう。

塾でよく言われる苦手科目の対策は営業の可能性がある

よく聞くのが,

「苦手な科目を早くから勉強するように。」
「苦手な科目に時間をかけるように。」

というものです。これは塾でも常套手段となっている方法なのですが,実は最適な手段ではないのです。なぜなら,誰にでも無難に言える方法というだけで,わが子には当てはまらない方法の可能性が高いからです。わが子にはわが子の最適な手段がありますから。

そして塾には営業して科目を取らせなければ収益につながらないという構造があります。そのため,特に個別指導ではこの傾向が強く,とにかく苦手科目に付け込んで多くの講座を取ってもらうようにする傾向にあります。

なぜ点数をそろえようとしてもうまくいかないのか

みなさんがよく誤解しがちなのが,科目間バランスを取るとは,全部を同じ点数にすることだというところです。「全教科目標80点!」と目標を立てるのがいけない訳ではありませんが,状況に合わせて狙う点数は変えるべきだという事です。

例えば中学受験の子が,前回は得意な算数の規則性で90点を取れた。次回は苦手な図形の単元で,同じく90点を取るようにするのが得策か,ということです。塾業界の常識から言えば,「取るように頑張らせるでしょ」ということになりますが,実は90点を取るように頑張ること自体にはあまり意味がないんですね。なぜなら,苦手だとわかっているということは,既にできていないとわかっているということですから,「できないところをできるようにしたいか,他で点を取るか」ただこれだけだからです。

何を言っているのかわからない方も多いと思いますので,別のたとえもしてみましょう。算数が苦手で理科が得意な子。この子は算数の成績を上げるために理科の時間を犠牲にして算数の勉強時間を増やすべきでしょうか

大抵の塾では算数の授業を増やしましょうということになるでしょう。しかし算数の授業を増やしても必ずうまくいくとは限らないのです。うまくいったという話もあるとは思いますが,次の試験がたまたま得意なところだった可能性もあります。そのため,シーソーのようになってなかなか全体的に成績が上がらない,という良くありがちな罠に陥るのです。結局この場合も苦手な算数をできるようにするか,それ以外をやるかだけなのです。

雑な言い方をすれば,苦手科目を長時間やってカバーするという方法は,有限な時間を何に割り振るかという問題において,得意な科目を犠牲にして不得意科目に時間をかけている,ということに過ぎないため,結局成績がシーソーのようになるか,単純に得意なところが当たって一時上がったように見えてまた元に戻るだけということが多くなるのです。

本当の意味でバランスを取るとはどういうことか

これは同じ教育関係者の方に話しても理想論で現実的ではないとか,何を言っているかわからないと言われることが多いのですが,私はバランスを取るというのは,得意科目を通じて不得意科目を理解していく時間を取ることだと考えています。科目別個別指導を例に話をしましょう。実際に私がやっている手法なので不可能ではありません。

算数苦手理科得意な子が,夏期講習算数の授業を15コマ理科は得意なので自分でということにして取らない子がいました。一般的にはこのような取らせ方をよくすると思いますが,この子は夏開けの試験で算数の成績が少し上がりましたが,維持はできずに秋に下がってしまっていました。結局算数の授業を受けたものの,苦手意識が払拭できず,一時的に上がっただけ,さらに理科は勉強する時間があまり取れなかった(というより取らなかった)ようで成績が変わっていませんでした。

私の場合,苦手な算数を15コマ取らせるよりも,得意な理科を10コマ,算数を5コマ取らせる方が効果的だと考えています。もちろん指導内容は条件付きです。得意な理科で,算数に使える共通項を探し,その単元を通して算数を学ばせるのです。そして算数の授業の時間でも同様に,得意な理科の単元をベースとした算数の授業を行います。このようにすると,子どもも得意な理科の勉強をするだけで算数の勉強もできてしまうため,家での勉強もはかどり,結果的に理科も算数も底上げすることができるのです。実際この方法により,私が関わった個別指導塾では,これによりそれまではあり得なかった成績の上昇を記録しています

その子の特性を見極めなければいけないため,先生の準備がものすごく大変だという欠点はありますが,時間配分でバランスを取らなくても内容のバランスを取ることで成績は全体的な底上げができるのです。一般的な塾にはできないようなので,私なら,ということにはなりますが。

点数のバランスはどう考える?

先程は勉強の中身という意味でのバランスをご紹介しましたが,では科目間の点数バランスについて,PHIではどのように考えているかを簡単にお話し致します。親や先生としては点数以上に目指すべきものがあると思いますが,子どもは点数の方が抽象的なものより目標にしやすいですからね。

例えば,次の算数の試験の範囲が確率場合の数)だとしましょう。この場合,算数が苦手な子でも得意な子でも,目指すは満点です。算数を抜かした科目平均が80点だったとして,そろえるために80点を目指すべきではありません。なぜなら,この単元は今までの積み上げ単元ではなく,一時の頑張りで点が取りやすい単元のためです。

それに対して,つるかめ算の単元で80点を目指すのはなかなか至難の業です。なぜなら,この単元はベースとなる差集め算消去算の単元を踏まえた積み上げの単元のため,今まで点が取れていなければ,まず点が取れないからです。この場合,80点を目指すよりは,差集め算や消去算といった,関連単元の基本的な部分から勉強してバランスを取るべきです。よって点数は目指さない,というのが正解になります。直接的に点数だけ追って,基本的な部分が穴になったままではすぐにまた落ちてしまいますからね。

逆に社会の場合はその単元だけ勉強すればすぐに成績に結び付きやすいという性質があります。そのため,比較的点数を目指しやすい科目だとは言えますが,これもあまり点数にこだわってしまうよりは,苦手科目を上げるチャンスでは社会を犠牲にするという方法を取った方がいいこともあります。社会ならば単発で点数を落としても,後からその単元だけ埋めれば挽回できますからね。

万年社会が苦手で点数が取れないという場合には,社会の勉強時間を単純に増やしても効果はあがりません。それよりも別の視点から社会を楽しいと思えるきっかけに時間を使うべきでしょう。そのため,社会のバランスを取りたいからといって単純に社会の勉強時間だけ増やすのはもったいない時間の使い方ということになります。PHIでは社会を苦手にしていたほとんどの子が社会大好きになりますが,それもテキストに沿った社会を勉強していないからです。当然テスト勉強すらしていません。それでも好きになった途端勝手に勉強し出すので点数が取れるようになるのです。この辺りは授業の様子のブログで紹介しているので,ぜひそちらをご覧下さい。

このように,科目間バランスとはその子の状況や過去の出来具合,勉強方法,今後の見込みなどを加味して考えるものであり,点数や偏差値だけみてバランスを取るものではないのです。

表面的なバランスのとり方では結局崩れる

ジェンガというゲームをご存知でしょうか。木の棒を下から抜いて,上に積み上げていき,バランスが崩れて倒したら負けというゲームです。科目のバランスを取るために時間数で調整するというのは,まさにジェンガのようなものなんですね。苦手な科目を上にあげるため,別の所から時間も持ってきて積み上げる。結局その時間の分は本来やるべきだった勉強の穴になり,どんどんバランスが崩れてくる。うまくいけば高く積みあがりますけどね。バランスをひとたび崩せば崩壊してまたもとに戻るのです。

苦手科目だから勉強時間をかけるのではなく,単元的に重たい分野ならば,得意な科目で点の差を広げるために勉強時間を増やすこともあり,苦手な科目ならあえて切り捨てて他で点を稼ぐのも戦略なのです。そして苦手科目を直接的に勉強時間を増やすのではなく,得意科目からカバーするという方法も。ジェンガで例えるなら,棒を抜いて積み上げるのではなく,棒自体を増やして囲ったり積んだりして高くしていくイメージですね。これは誰にでもできる方法ではなく,勉強法に特化している私の専売特許のような手法なので,他の塾や先生のご指導で満足いかない場合はぜひPHIへご連絡下さい。みなさん「そんな方法があったんですね!」「もっと早くお世話になりたかった。」とおっしゃって下さいます。

無料で質問!無料で相談!

CTA-IMAGE PHIのLINE公式アカウントです。 タイムラインで子どもが賢くなる話題を配信しています。 質問・相談も無料なので,お気軽にご利用下さい(^^♪