なぜアイヌ文化の復興は全然進まないのか?

なぜアイヌ文化の復興は全然進まないのか?

質問内容

「子どもの塾の宿題で,アイヌ民族に関する問題がありました。それによると,アイヌ文化を復興するために,法律作りからしているとのことでした。しかし文化なら他の都道府県にもありますし,アイヌの文化だけ法律まで作って特別扱いする理由がわかりません。子どもに聞いても,そんなの習っていないと言っておりました。」

アイヌ文化復興のための法律

アイヌの文化を守るために,「アイヌ文化振興法」というものがあります。

正式名称を「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」といいます。

文化ならどこにでもあるのに,なぜアイヌの文化は法律まで作って復興を特別扱いするのでしょうか。

アイヌの文化は国策で消滅させられた

法律をつくってまで守らなければならない理由,それはこのままの状態にしておくと,アイヌ文化はいずれ無くなってしまうためです。

しかも他の地域の文化がなくなるのとはわけが違います。

なぜならアイヌの文化は,一度国の政策として消滅させられているからなのです。

それが明治時代から行われた同化政策

蝦夷地を北海道と改め,日本に取り込むために,徹底的にアイヌ文化をやめさせたのです。

そのため,アイヌ語を話すことを禁じ,祭りごとも禁止,文字や言葉も日本語教育に統一していきました。

しかもこの政策は,第二次世界大戦まで続きます。

その結果,アイヌ文化はほとんど失われるまでに消されてしまったのです。

なぜアイヌ文化は復興しにくいのか?

実はアイヌ文化には言葉は存在していても,文字が存在しないのです。

そのため,アイヌ文化は親世代から子世代へと口頭で伝えてきました。

これを口頭伝承といいます。

そのため,アイヌ文化は高齢者の方々から子ども達世代へ直接見せて聞かせて学ばせなければならないのです。

ところが,日本は同化政策において,口頭伝承すら禁止してしまいました。

つまり,アイヌ文化を知っていた世代は,文化を伝えられないまま子の世代へと移っていってしまったのです。

だから一度消えてしまったアイヌ文化を元に戻そうとしても,伝えてきた人たちがいないため,うまく復興しないのです。

今現在アイヌ文化を復興させる方法としては,知っている人の記憶を頼りに復興させる方法,そしてその当時の様子を書き記したものたよりに再現する方法しかありません。

言葉があっても文字がないことの意味

日本には古来から言葉はあっても文字の文化がありませんでした。

邪馬台国にせよ,卑弥呼にせよ,この当時の様子を知る手掛かりは,中国の歴史書しかないのです。

そしてアイヌも同じ状態なのです。

実はこのように文字がないために当時の様子がわからないことは多々あります。

教科書には書かれていない背景として,文字がなかった,というのは重要なポイントになることは少なくありません

この感覚を知っているだけでも背景が見えやすくなるため,勉強において大いに役立ちますよ(^^)/

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