中学受験:コーヒーサイフォンは気象を学ぶのに最高のツール

中学受験:コーヒーサイフォンは気象を学ぶのに最高のツール

コーヒーサイフォンを見るだけで子どもの目は輝く

コーヒーサイフォンというのをご存知でしょうか。今は手軽に入れられる機械による抽出式,もしくは紙フィルターによるドリップ式が主流ですが,子どもからすると原理が見えず面白みが少ないもの。それに対してコーヒーサイフォンフラスコっぽい丸いガラスアルコールランプ。水が上がったり下がったりと実験さながらな入れ方になるため子ども達の興味を引き立てます。そして何よりこのコーヒーサイフォン,中学受験で必要な気象の原理をほとんど説明できてしまうほど万能なツールなんですね。後片付けが面倒,かつ場所を取るため現代には似合わないツールですが,中学受験を考えている子がいるご家庭なら一度は子どもに入れ方を教えたい一品です。

机に座って暗記しなくても気象は説明できるようになる

まずアルコールランプをつける所からスタートしますが,最近は学校でもガスバーナーになっていることが多く,アルコールランプだけでも子どもたちはキャッキャします。もちろん危険なのでふざけさせてはいけません。中学受験を考えている子でそんな幼い子はいないとは思いますが,一応使う前に危険性は話しておいた方がいいでしょう。

ちなみにこのアルコールランプカバー下に穴が開いていて,上はガードされています。これも気象の原理を考えられて作られているんですね。アルコールランプは燃焼すると周りの空気が温められて上昇気流が発生します。そこで下に穴をあけておくことで,新鮮な空気を下から取り入れているんですね。横がガードされているのは風よけです。この辺りはまさに気象で上昇気流が生じる原因の説明と同じです。実際このアルコールランプの穴の原理を理解しただけで,高気圧低気圧温暖前線寒冷前線停滞前線閉塞前線辺りの原理はあっさり説明できてしまいました。

そしてアルコールランプでススが出ないのは完全燃焼に近い燃え方をするためです。フラスコ部分が綺麗なのは新品だからでも綺麗に洗ったからでもありません。そもそもアルコールランプではススが出にくいのです。ろうそくだとどうしても完全燃焼とはいかず,不完全燃焼を起こしてススが発生し,フラスコが黒くなってしまいます。

また,芯が焦げないのも,アルコールが芯を伝って昇ってきて,熱により蒸発し,アルコールが燃えているためです。芯が燃えているのではないんですね。

熱の伝導はコーヒーサイフォンに全て凝縮されている

熱の3つの伝わり方はご存知でしょうか。

  • 伝導(熱が物を伝って伝わっていく温まり方)
  • 対流(液体や気体といった流体が熱を運んでいく温まり方)
  • 放射(赤外線により熱が空間中を伝わる温まり方)

よく大手の進学塾では,これらは様々な例を用いて教えられますが,そんなことをしなくてもコーヒーサイフォンの原理を説明できるだけで全て詰まっているんですね。

まず伝導ですが,持ち手の部分を触れてみれば,熱源に近い程暖かいことがわかります。わかりにくければ,スプーンをフラスコ部分に当ててみるか,出来上がったコーヒーに入れて熱の伝わり方を試してみればすぐにわかります。

次に対流ですが,の部分をよく見ると,揺らいでいるものが対流して動いているのが見えると思います。もしくは水が上昇してコーヒー豆と混ざった時にその動きを見ればはっきりわかるはずです。また,コーヒーサイフォンの上に手をかざすと,暖かい空気が上に上がってきているのがわかるはずです。

最後に放射ですが,手を横から火に近づけて暖かいと感じる状態で,間に紙を差し入れてランプからの光をさえぎってみると暖かくなくなることから,光が熱を伝えているとハッキリわかります。

このように,実際に試してみて実感することができるので,カリカリと黒板を書く必要がないんですね。しかも実感が伴っているので,何度もやらなくてもすぐに覚えてくれます。

水の沸騰は中学受験の必須単元

水は沸騰するときに,小さな泡が先に出てきて,次第に大きな泡になります。この小さな泡は水に溶けた空気で,大きな泡は水蒸気によるものです。これは鍋で料理するときでもわかるものですが,コーヒーサイフォンでももちろん同じように見ることができます。

また,水蒸気は目に見えないため,湯気は少し離れたところで水蒸気が冷やされて水になった時に見えるというのも,コーヒーサイフォンの上部で確認することができます。

なぜ沸騰すると水が上昇するのか?

沸騰して水蒸気が発生すると,フラスコ内の気圧が上昇します。すると水蒸気が水面を押し下げて,水はフィルターを通って上部のコーヒー豆が入れてある部分へ上昇していきます。

圧力が高い低いというのはこれで大抵説明できてしまいます。

火を消すと下へ吸い込まれていくのはなぜか?

火を消すとフラスコ内の温度が下がり,水蒸気が水へ戻っていきます。するとフラスコ内が減圧,真空に近くなってしまうため,上部の水を吸い込んできます。ちなみにこの時に上部の完全に密閉してしまえば真空を作ることができます。最もコーヒーサイフォンは真空を作るためのものではないので,実際にはやらずに原理に留めて下さい。

コーヒー豆が下に落ちてこないのはなぜ?

間に挟んだフィルターで豆がこしとられるためです。これはろ過の原理と一緒ですね。なお,この時に残ったコーヒー豆と普通にドリップで入れた後のコーヒー豆を比べても違いがハッキリとわかります。また,カフェインを考えるとコーヒーを子どもに飲ませる訳にはいかないので,大人が飲んで感想を言ってあげるしかありませんが,やはり同じ豆を使っても入れ方が違うと味や香りも変わってきます。ちなみにPHIでは子ども達が入れたコーヒーを塾長である切替がおいしく頂いております。

主要なものをご紹介しましたが,このようにコーヒーサイフォン一つで気象に通じる話題は大抵これで説明できてしまいます。ちなみに今回使用したサイフォンはこちらになります。

実際に子どもにも使わせてみましたが,ごちゃごちゃした機能はなく,つまみやとっても大きく使いやすかったですね。有名なメーカーで付属品も充実しているため,仮に壊れてしまってもその部分だけ買って交換できるのも特徴です。他に安いメーカーのもあるのですが,フラスコが割れると一式買いなおしになってしまうことも…子どもに試させることを考えると,やはりデザインや価格よりも失敗した時のリスクを考えたいものですね。

今回はコーヒーサイフォンで気象を学べるという実例を紹介しましたが,身近なものから学べるものは皆様が思っている以上にかなり多いのです。ただ気付いていないだけ。テキストに書かれていることは確かに代表的で無難な例ですが,それだけではないのです。そしてそんな代表例よりも,子どもにとっては身近なものの方が頭に入りやすいものです。ぜひ受験のテキストに縛られず身近なものから学べる視点を養ってあげて下さい。PHIに長く通っている子はその辺が上手で,ろくに入試問題や練習もしていないのに難関や中堅どころに合格していってしまうのはそのためです。もし通常の大手進学塾でうまくいっていないと感じたらぜひPHIへご連絡下さい。今までとは全く異なる勉強の世界をお見せして差し上げます。

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