成績が下がるのは,実は見えていないからかも

成績が下がるのは,実は見えていないからかも

黒板が見えない人は前へ,は不利になる

よく教育現場で聞くのが「視力が弱くて黒板が見えづらい人は前の席にするので言って下さい」というもの。

しかしながらメガネがこれだけ一般的に普及してきて,コンタクトもソフトレンズの安全性が向上,心配ならハードレンズ,どうしても嫌ならばレーシックやオルソケラトロジーなど,強制的に視力を上げる方法はかなり発展してきている中,黒板が見えづらい人を前にするという事が本当に必要でしょうか?

もちろんケースバイケースで必要となる事態もありえます。

今回はそういうイレギュラーなケースを抜きにして,子ども達の視力に対する現状をお話しします。

実は見えていない子供の目

先生ですらこの事実を見極めるのは困難です。

なにせ自分の目ではないのですから。

では子どもに自己申告させてはどうかというと,実はそうもいかないのです。

その主な原因の一つが,「視力が低い=視力が悪い」という思い込みです。

最近は視力に対する抵抗が以前に比べるとなくなってきましたが,それでも視力はなるべく高い方がいいんだ!と思い込んでいる子供たちが多くいます。

また,視力の評価というのは記号や数値化できてしまうため,特に男の子の競争心をあおってしまい,見えていないのに見えているように見せかけるそぶりも見せたりします。

すごい子だと健康診断で並んでいる間に視力のボードを全部覚えてしまい,その上で受ける子供もいるぐらいです。

最も最近では双眼実体顕微鏡のようににのぞき込むタイプが使われることも多くなったので,そうもいかなくなっていますが。

いずれにせよ,今は「目が悪い」とは言いません。視力が低いことが悪いこととは限りませんからね。

実際スマホを見続けるには,近視の方が疲れにくいという研究もあるくらいです。

メガネをかけている子だって安心できない

子どもは自分の視力について正確に伝えられないことも多く,特に乱視の検査については流れ作業でこなされてしまい,正確な判定がされないまま眼鏡を作られてしまうことも少なくありません。

それゆえ健康診断では問題なしとされていても,実際には黒板の字が見えていない可能性というのは大いにあるのです。

「うちの子は乱視が入ってないから大丈夫」

そういう方も多いのですが,子どもが乱視という存在を知らないがために申告できていない可能性も往々にしてあるのです。

その大きな原因は,視力検査が自己申告であるという事。

私は視力と学力の相関性も調べていたため,実際に子どもたちで実験してみたことがあるのですが,自分の視力や見え方についてその症状を正しく説明できた子は小学生・中学生ではほとんどいません

高校生になってやっと半分ぐらい。

しかもこちらが誘導しての結果です。

つまり,ほとんどの子が自分に合ったメガネをかけていない可能性があるわけです。

高いため遠慮している可能性もある

眼鏡の子に多いのですが,成長にともなって合わなくなってくることは度々あります。

本来なら状況に合わせて変えていく方がいいのですが,学校で一斉にやる視力検査は1年に1回。

そのため合っていないまま1年間乗り切る子も少なくありません

そういう子ども達の理由は「高いから言い出せない」というものが多数。

最近は格安メガネも登場しているので,比較的安価に交換できると思うのですが,やはり気にしている子も多いようです。

迷信を信じている子もいる

メガネをしていると視力が悪くなる,という一昔前まで信じられていた迷信を信じている子ども達も結構いるようです。

しかし視力は遺伝によるもの環境によるものがあります。

遺伝に関してはメガネの有り無しに関わらず年齢と共に視力は変わっていきます。

環境によるものは生活により防ぐことはできますが,合わないメガネをしていて視力の低下を招くケースもあるのです。

例えば勉強するときと運動するとき,同じメガネを共有していると,近くを見る勉強中の目の負担が大きくなるのです。

そういう無理が積み重なって低下していきます。低下というか,環境に合わせて変わって行っていると言った方が適切なようですが。

もしこれが心配なら,利用状況に合わせてメガネやコンタクトを変えられるように準備しましょう。

運動のためなら深視力や遠くを見えやすいように強化したメガネ,勉強のためなら近くを見て疲れにくいようにしたメガネ,といった感じで相談に乗ってくれて,用途に合わせたメガネ(レンズ)を作ってくれます。

メガネが合っていないとどうなるの?

黒板が見えません。

当然ノートを写すのが困難になり、わからないところが増えます。

わからない所が増えるとやる気がなくなります。

黒板を見る必要すらなくなってきます。

この悪循環から成績の低迷を招く恐れがあるのです。

日常生活ならともかく,入試の時に,訂正内容が見えないとか最悪ですからね。

また、掲示物などの外部から入ってくる情報も少なくなります。

これはさほど気にすることじゃないと思われがちですが,私生活における全てがこの調子では,視力が高い子に比べて視力の低い子が得られる情報量が圧倒的に少なくなります

これが子どもの間の知識の幅に響いてくる事はわかってきています。

このように,見えていない事は,それだけで今の情報化社会では不利になってしまうこともあるのです。

見えていない子はどうすればわかる?

自己申告してくれれば一番いいのですが,先生ならノートを見ていればわかります。

普段ノートに書いている子が書けていなかったり,友達のノートを写させてもらっていたりすればほぼ確実に見えていません。

また目を細めてみている子も見えていない事が多いでしょう。

親が気付くためには,外で子どもの目をよく見て,細めたり見えにくそうにしていないかを確認することで割とわかるものです。

黒板が見えていない子はどうすればいい?

ここでほとんどの先生は「なら席を前へ」とやるのですが,私はそれは絶対にやりません。

もちろんメガネを作るまでの間,一時的に席を前にすることはありますが,恒常的,優先的に前の席へ持ってくる事はありません。

もし試験の時に一番後ろの席になってしまったらどうするんですか?
一番前の時計が見えなかったらどうするんですか?
時間割が見えなかったら?問題訂正が見えなかったら?

こういう子の問題は今授業を受けているこの教室の中だけの問題ではないのです。

そのため優先的に前の席になどというその場しのぎの方法は使いません。

親へ黒板が見えていない事を話し,メガネなりコンタクトなりを作ってもらいます。

特に私はたとえ家庭教師のように1対1であっても,大学の大人数の授業であっても,どこにどう座るとどういう影響が出るかを心理学を元に考えています。

メガネの有無よりも長い目で見たらそちらの方が重要なためです。

メガネはどうやって作ればいい?

子どもであってもじっくりと視力検査に時間をかけてくれる眼科を探しましょう。

いくら早く診察が終わるとはいえ,流れ作業的に検査して処方箋を出してしまうような所では,正しい視力検査ができるとは思えません。

また,眼科に連れて行く前に,子どもの余計なプライドはぬぐっておきましょう

視力が高い方がいいわけではない!
自分に合ったメガネをかけることが成績向上へも結びつくんだ!

と。

また,もし可能ならば予め乱視の検査もしておきましょう。

これは自宅でも簡単にできます。

ノートの真ん中に1cmぐらいの黒い点を書き,ちょっと離れた場所からその点を見て,どちらの方向に伸びて見えているかを聞けばいいのです。

これがただ単にカメラのピンボケのように拡大されてぼやけているだけなら乱視はないのですが,縦や横,斜めにずれていれば乱視が入っている可能性が高くなります。

予め乱視の疑いがあることがわかれば,眼科に行った時にその旨を伝えれば,ほとんどのお医者さまは丁寧に見てくれます。

しかしわからないまま医者に行くと,曖昧な返答で乱視はないと判断されてしまいかねません。

裸眼にこだわる方へ

パイロットや自衛隊といった,視力を要求する職業は確かにあります。

しかしそれも矯正視力が緩和されていることが多く,技術も向上してきています。

そのため裸眼にそこまでこだわる必要はなくなってきています

一時期裸眼とメガネだと事故を起こした時の罪の重さが違うといったうわさもありましたが,そんなことはありません。

どうしても裸眼にこだわるのであれば,遺伝で低下しないことを祈りつつ,生活習慣で近距離を見ない生活にしておくといいでしょう。

とはいえ,手元を全く見ない生活というのはほぼ不可能です。

大切なのはバランスですから,この辺りは眼科医と相談しながら決めていくようにして下さい。

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