おこづかいの金額が子どもの育ち方に与える影響。お小遣いなしは甘ったれになる?

おこづかいの金額が子どもの育ち方に与える影響。お小遣いなしは甘ったれになる?

おこづかいをいくらに設定するかはご家庭により様々です。これに関しては家庭の方針もありますので,いくらあげるのが正解,というのはないでしょう。しかしお小遣いの使い方については勿体ないと思うものもあり,せっかくなら学習に通じる使い方をさせたくありませんか?というわけで,今回はそんなおこづかいのあり方についてお話します。

小学生のお小遣いの金額と傾向

小学生はあげていないという家庭も割とあります。もしくはあげても数百円。千円以上与えている家庭はあまり聞きません。大抵は欲しいと言ってきたときに,ご褒美として与える方が多いようです。特に3千円を超すものに関しては,何か条件を付けてクリアしたら与えるなどの方法を取ることが多いですね。

子どもの傾向としては,おこづかいをもらっている子より,もらっていない子の方が甘ったれに育つ傾向にあります。それがいいとか悪いとかではなく,判断にしても発言にしても,大人度が低くなる傾向があります。行動の内容や犯罪性はともかく、バカみたいに素直!というのもおこづかいをもらっていない子に多くなります。

それに対しておこづかいをもらっている子は,割とシビアな考え方を持つことが多いようです。シビアと言っても所詮小学生なので全然甘ちゃんですが,おこづかいをもらっていない子と比べると,ものに対する考え方にハッキリ違いが出る事はよくあります。

小学生で千円以上のおこづかいをもらっている子は,大抵買い物を自慢したり,他の子におごって歩いてたりしていました。社交性や人脈という意味ではそれもありかなと思います。親が裕福で自信を持っている様子が子どもにも伝わるのでしょう。虎の威を借りる狐状態になっている子は鼻をへし折ってやらなければなりませんが。

小学生にお小遣いは不要?

結論から言えば,数百円でもお小遣いは与えた方がいいでしょう。これはお小遣いを与えることで,管理することを意識できるようになるからです。お小遣い帳がその良い例ですね。もちろんお小遣い帳でしっかり管理するのが理想ですが,大抵の場合,貯金に走ってしまいます。残高が増えていくことが楽しくなって。しかし,使い方を覚えさせたいので,残高を増やさせても意味がありません。「貯蓄は美徳」という言葉が根付いている方も多いと思いますが,それは政府が戦略的に植え付けたキャンペーンですからね?今は時代が違います。その時代を生きてきた人から「無駄遣い!」と言われてしまえばそんな気がするかもしれませんが,それはその人たちの時代の話であって,今は使い方がうまい人が得をする社会なのです。子どもがどうお小遣いを使うかをよく見て,命令するのではなく,アドバイスしてあげましょう。

なお,千円以上上げるとあまりよろしくないみたいなことを書きましたが,それは周りの環境に左右されます。周りも千円くらい与えているのであれば,優越感は生まれないので,自慢やおごるといったことにはなりません。周りとのバランスによって決まる,というのを覚えておいて下さい。

小学生のうちに学ばせておきたいお金の仕組み

小学生はお金は稼ぐものだという感覚がまだありません。使い方もわかっていません。わかっているのは,お金があると色々好きなことができる,という事だけです。そこで学ばせておきたいのが,お金は稼ぐものだという感覚を身につけさせること。そしてお金で経済が回っているということです。

例えば,お手伝いをしたらお小遣いを上げるというシステムは,勤労に対する報酬に当たります。働けばお金になるという感覚を簡単に身につけられます。ただ,注意したいのは,お金をもらえないならやらない,という感覚を植え付けないようにしなければならないことです。そのため,皿洗いをしたらいくら,お風呂掃除をしたらいくら,と決めるよりも,手伝ってくれたことに対しては大いに褒めておだててあげて,お小遣いは月末にまとめて渡す,といった感じでライムラグを発生させるといいでしょう。もちろんこの時も,何をしてくれたからいくら,といったノルマ制ではなく,純粋に手伝ってくれて助かったよ!という気持ちで,手伝いそのものではなく,お母さんを楽させてくれた対価,として与えるようにするといいでしょう。

もちろん家庭の教育方針は様々なので,ノルマ制を教えておきたければ,ガッツリノルマでお小遣いを決めても構いません

経済の仕組みについては,とやかく言うよりも,実際に使わせる中で学ばせた方がいいでしょう。もったいないと思うかも知れませんが,机上で学ぶよりも,失敗して学ぶ方が賢くなります。そのため,親としては先回りして教えるよりも,自由に使わせて,それについて相談に乗り,フィードバックを与える方が経済に強くなります。理想を言えば,自分が使ったお金がどこにどう流れているか,まで考えられるといいでしょう。金額は,使い方に合わせて変えていくようにすればいいのです。学年に合わせるメリットはありません

税金が色々なところに使われてるのを知った。

中学生のお小遣いの金額と傾向

中学生ぐらいになると、千円以上もらっている子の割合も増えてきます。そして面白い事に,おこづかいの金額と,ファッション性が連動してきます。特に女の子。筆箱の中身を見るだけで,おこづかいがいくらぐらいかある程度予測できますからね(笑)

男の子は遊びやおもちゃに費やすことが多くなるようです。最近はネットゲームの課金なんかも増えてきているようで,「いくら使った!」「マジで!?スゲー!」と言った会話もよく耳にします。よくよく聞いてみると,やはり課金している子は強く,そのゲームの主導権を握っている子が多いみたいですね。よくも悪くも,まさに今の経済社会の縮図ですね(^^;)

おこづかいをもらっていない,比較的少ない子はというと,成績や家事手伝いなどを餌に交換条件を提示されていることが多いので,それを目標に頑張る子も多いようです。そのためか,成績は割といい子が多いのですが,やはり考え方は甘い子が多いですね。特に自分への甘さが目立つ傾向にあります。

逆におこづかいを周りより多くもらっている子は,付き合いが広い子が多いですね。話を聞いていても,割とよく遊んでいます。お金があるところに人は集まるという良い例でしょう。勉強しないで遊んでばかりというのは,おこづかいが多い子の特徴とも言える傾向の1つです。

他にも趣味にお金を使っている子も多くなります。そのため,物の好き嫌いがハッキリしている子も比較的おこづかいの金額に比例します。センスが良い悪いなどという話ができる中学生は,ほぼ間違いなくおこづかいが多いですね。

中学生のうちに学ばせておきたいお金の仕組み

基本的には小学生と変わらず,お金は稼ぐものだという感覚と,経済の仕組みについて学ばせるのがいいでしょう。ただ,中学生なのでもう少し発展させて考えさせたいですね。

例えば,お金を使うことで,お金を稼げるという感覚を身につけさせることもできます。つまり,消費ではなく,投資という考え方ですね。この話をすると,「投資は賭博だ!」「金儲けは悪だ!」という話を耳にしますが,それは投資を賭博としてやるかどうかだけで決まります。PHIでは投資についてもガンガン話をしていますが,その話はまた別の機会に。いずれにせよ,投資の話に子どもは食いつくのです。そして投資のお金の流れが理解できれば,中学受験,高校受験程度の経済の説明は簡単に解いてしまいます。実際PHIの小学生たちは,高校受験の経済の問題を解いてしまいますからね。テキストを用いた授業何て全くしていませんが。

先行投資,自己投資というのも立派な投資です。中学生ぐらいになると,自分がやりたいこともハッキリしてきますからね。例えば,塾や習い事のお金,交通費などを全て自分のおこづかいから出させているケースです。

「習い事のお金って親が出すものじゃないの?」

という方も多いのですが,子どもにお金の話を聞かせて,

「それでもやりたいなら自分のおこづかいから出しなさい。」

というご家庭も実は割とあります。当然おこづかいだけではまかない切れないので,連動させる形でおこづかいを減らすか,お年玉などを蓄えさせておいて,使わせるか,もしくは講習や補講などのお金だけ負担させるかという形が多いようです。

携帯電話の料金を自分で払わせているご家庭も割とあります。子どもは携帯電話の料金には無頓着ですからね。ついつい使ってしまうのですが,自分で支払っているケースでは,割と携帯の使い方も自分で制御できることが多いようです。

何に関しても使えますが,「それでもやりたいの?」「それでも必要なの?」と考えさせる事により,真剣に自分と向き合うきっかけを与えられるようになります。このようにして塾や習い事を頑張っている子は,その習い事に対して割と自分でやっているんだという意識を持ちやすく,取り組みが前向きな子が多いのが特徴です。

携帯ゲームの課金もよくないみたいな風潮がありますが,あれは無制限に課金できる状況にあるので良くないのです。お小遣いの範囲内で課金する分にはお金の使い方を学べますし,良い使い方と言えるでしょう。課金したのにお目当てのアイテムが手に入らないとか良くありますしね。塾代を出しているのに効果が出ないことに親が腹を立てる理由も良くわかってくれます。最も中毒者となるとそれ以前の問題なので,何を言っても入りませんが。トップに載せた写真は,まさに携帯ゲームについての経済学を生徒が解説しているところです。

もちろんデメリットもあり,お金に対する考え方がゆがむ傾向にあります。「お金は大事」とはみな言いますが,お金の使い方を知った子の「お金は大事」は重みが全然違います。どちらかというと,「人よりお金」「お金が全て」という感じの重さです。もちろん全員がそうなるわけではなく,やはり他の育て方とも関係しあってそのようになっていくので,お金に対してゆがんだ考えを持たせないこともできます。そのために大切なのは,親子でお金の使い方,あり方について,ちゃんと話す機会を設けることです。

公民苦手だと思ってたけど,割と楽しい

お小遣いの与え方に正解はないけれど,使い方には不正解がある!

たかだか数百円から数千円程度のおこづかいですが,そのおこづかいが子どもの性格や考え方に影響を及ぼしている事は間違いありません。もちろんお金が全ての要因ではありません。他にも周辺の要因が絡んできてこのような傾向が生まれます。

お金の教育は非常に難しい問題です。「お金で苦労させたくない。」とお金を意識させない生活をさせていても,お金の使い方を知らないまま大人になり,結果的に苦労するなんて話はよく聞きます

なお,欧米では小学生のお小遣いで日本円にして1万円とか2万円とか普通です。そのかわり,自分が必要としているものは全て自分で支払わせることが多いようです。おやつも服も文房具も教科書も交通費も全て。

欧米に習うのがいいわけではありませんが,日本のお金に関する教育は戦後から滞っています。時代は変わっているので,これからの時代は貯蓄よりも,おこづかいをいつ、いくらあげるかよりも,それ以上にそのお金を何にどう使うか、そちらの方が親としての責任が大きいのです。

ちなみに私は,子どもにお金の話を聞かれた時は,しっかりと向き合って話すように心がけています。授業料の話はもちろん,お父さんやお母さんがどこからそのお金を出してきているかまで。子どもの話を聞きながら,考えさせています。正直な実感としては,お金の話は難しくてほとんどわかってもらえません。それでもなるべく,親が稼いできてくれたお金がどれだけ大切なものなのか,どれだけ大変な思いをして稼いでいるのか,お金よりも大切なものが見つけられるように話をしています

先日の経済の授業でも授業料の話が出て,子どもとお金の話をしました。そうしたら帰り道で色々考えてしまったらしく,泣きながら家に帰って,

「お母さんごめんなさい。」

と謝ってきたそうです。後日聞いたところによると,

「塾に通うのってみんなやってるし当たり前だと思ってたけど,自分のために通わせてもらってるんだって思ったら,なんか自分がやってた事が申し訳なくて悲しくなってきた。」

とのことでした。お金はデリケートな話,子どもには難しい話,として避けずに,子どもにもしっかり向き合わせていくといいでしょう

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